「うつ病」は、生涯のうちで、日本人の約15人に1人が経験する身近なものです。
          一言で「うつ病」と言ってもその原因は、外因性(身体因性)、心因性(性格環境因性)、内因性に分類することができます。
          
          まず外因性(身体因性)は、脳に物理的な打撃が加わったことによって生じた場合や、ホルモン系統のバランスの崩れなどが原因で生じる心の病があげらます。 アルツハイマー型認知症のような脳の病気、甲状腺機能低下症のような体の病気、副腎皮質ステロイドなどの薬剤、などが外因性にあたります。
          
          次に心因性(性格環境因性)は、性格や環境、精神的ストレスがうつ状態に強く関係している場合で、抑うつ神経症(神経症性抑うつ)と呼ばれることもあります。 内因性の精神疾患と比べて、比較的症状が軽いとされていて、発病においては、遺伝的要因よりも環境要因が大きな引き金と考えられています。
          
          最後に内因性は、典型的な「うつ病」と言えます。 外因性、内因性にあてはまらないもので、はっきりとした原因がわからないことから、生まれながらの素質、遺伝や体質などが原因と考えられています。普通は抗うつ薬がよく効きますし、治療しなくても一定期間内によくなるといわれています。ただ、本人の苦しみや自殺の危険などを考えると、早く治療したほうがよいことは言うまでもありません。
          
          以上のように、「うつ病」には原因が何かによってタイプは異なりますが、心療内科やメンタルクリニックによる『薬による治療』と併せてカウンセリングによる認知行動療法などの『心理的な治療』も効果が高いと言われています。
          
          
 日本人の約15人に1人が経験する「うつ病」ですが、どういう人がなりやすいのでしょうか。
          
          原因が外部からの刺激による外因性は別として、心因性、内因性に関しては、育ってきた家庭や学校、職場などの環境はもちろん、その人その人のパーソナリティ(性格)も大きく影響してきます。
          
          「うつ病」になりやすいタイプの例として・・・
          
          ●社交的で温和な人柄を持ち、明るくユーモアに富み活動的だが、一方で物静かで気弱、悲観的という抑うつの要素を持っている。 他者との係わり合いが上手でも、異なる意見の対立を上手に処理できないため、一人になった時に板ばさみになった自分を再確認して強く悩んでしまう。(循環気質)
          
          ●保守的でルールを守ることに強くこだわる一方、人との円満な関係を好み、人と争うのを嫌うため何か頼まれると断れない。「小さな親切、大きなお世話」という言葉があるが、「感謝されてない、まだ奉仕が足りなかったのか」とむしろ親切が足りないとさえ思い込みがちになる。(メランコリー親和型性格)
          
          ●責任感や正義感が強く、几帳面で仕事熱心、生真面目な性格。思い込みが激しく、頭の切り替えがなかなかできない。何事も徹底的にやらなければ気がすまず、ごまかしやおおざっぱなことを嫌う。一見すると「自分が仕事を完璧に支配しなければ気がすまない」という執着があるので仕事に対して強い熱意を持っているように見える。そのため、「誰かに手伝ってもらって手を抜ける所は手を抜く」という発想がないので、自分の許容量以上に仕事を抱え込んでしまうことになりやすい。(執着気質)
          
          このようなタイプの人が必ず「うつ病」になるわけではありませんが、普段から「~だったらどうしよう」「~でなければダメだ」と考えている人がなりやすいのかもしれません。
          
          
うつ病になりやすい人は多くの場合「真面目すぎる」性格であるといえます。
          逆にうつ病になりにくい人は「楽天的、楽観的な考え方」「くよくよといつまでも悩まない」「細かいことを気にしない」「ポジティブシンキング」などの性質を持っています。このようなさっぱりした性格の人ほど、うつ病になりにくいものなのです。
          
          まじめで完璧主義の人は、頑張り過ぎて自分で気づいていないことが多いので、あえて適度な息抜きや手抜きをやっていくこともとても大切です。まじめで責任感が強いことはよい事ですが、結果としてうつ病になりやすいという性格は、ほめられたり評価される性格ではないといえるかもしれません。何事もほどほどが大切ということだろうとおもいます。
          一朝一夕で性格は変えられませんが、頑張りすぎたあげくにうつ病になって家族や職場に迷惑をかけたら、もともとまじめな性格が災いして悪循環に陥ってしまいます。
          うつ病にならないためにも、性格は変えれなくても自分で手抜きや息抜き、言いたいことはときにははっきりと言ったり、自分自身でコントロールする努力は必要であります。
          
          
【気分】 抑うつ気分・悲哀感・不安感・イライラ
          【思考】 悲観的な考え・自責感・希死念慮・自殺念慮
          【行動】 興味や喜びの喪失・思考力や集中力の低下・意欲の低下・焦燥
          【身体】 睡眠の異常(不眠または睡眠過多)・食欲の低下または増加・疲労、倦怠感
               月経の不順、性欲の低下、勃起の障害・涙もろくなる・めまい、耳鳴り
               頭痛(すっきりしない鈍い痛み)、頭重・肩、腰、背中などの痛み
          
          うつ状態のときの思考パターン(うつ思考)~自分・周囲・将来へのマイナス思考
           ①自分のことをマイナスに考えすぎる
            ・自分の能力を過度にマイナスに考えすぎる。「集中できない、物覚えも悪い。自分はダメな人間だ。」
            ・過度に自分を責める。「部下が怒られたのは自分のせいだ。」
          
           ②周りの人やものごとをマイナスに考えすぎる
            ・十分に考えずに、うまくいかないと決めつける。「明日は月曜日だから仕事が忙しいに決まっている。」
            ・他人の気持ちを深読みしすぎる(一種の被害妄想)「相手が怒っているのは、自分の事が嫌いだからだ。」
          
           ③今後(将来)のことを前向きに考えられない
            ・「どうせダメだ」と、はじめからあきらめてしまう。
            ・現状がいつまでも変わらない、と思い込む。
          
          うつ状態のときの行動パターン(例)
            ・活動量が減る。➞楽しいことや達成感が少なくなる。
            ・「何も出来ていない」と自分を責める。
            ・先延ばしにしたり、問題を避けて他のことにふける。➞やらなければいけないことがたまってしまう。
            ・周りにうまく助けを求められない。
          
          
          
                     
          うつ病(うつ状態)になると、上記の図のように
          『何をやるのも不安だ【気分】』⇒『自分はもう何も出来ない人間なんだ【思考】』⇒家に閉じこもる【行動】⇒さらに不安になる【気分】
          と、負のスパイラルから抜け出せなくなります。
          
          この状態から抜け出すために効果的と言われているのが認知行動療法です。
          【気分(=感情)】は簡単に変えることは出来ませんが、【思考】【行動】は自分の意志で変えることが出来るからです。
          
          
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